公開日: 2021/07/11
仙台港から乗船する予定だったフェリーには間に合わないので、パーキングに止めたクルマの中からフェリー会社にキャンセルの連絡を入れ、「これからどうするか」について考えました。「旅を続けるか、中止するか……」。
家族みんなが楽しみにしていた北海道の旅を中止したら、ここで起きたトラブルは一生「嫌な思い出」として残ります。どうすべきか悩んでいる筆者の姿を見て、妻は「行こうよ、北海道!」と笑顔で一言。その言葉と、普段通りの笑顔に勇気をもらい、旅を楽しみにしていた子供たちのためにも「予定通りに旅を続ける」「笑顔でこの旅を終わらせる」ことを決意しました。
そこからは、パーキングに止めたキャンピングカーの車内で、タイヤショップやフェリー会社に電話。当時はガラケーだったので情報収集するのも大変でしたが、メモを片手にアチコチ電話をして、旅のスケジュールを練り直しました。
幸いスペアタイヤが純正と同じサイズで長距離移動も可能だったため、その日の夜に青森港まで走ってフェリーに乗り、同銘柄・同サイズの在庫がある札幌のショップでタイヤ交換をしてもらうことにしました。
タイヤがバーストした当日の深夜、無事青森港に到着して函館行きのフェリーに乗船しました。航海の所要時間は、3時間40分。妻も子供たちも大部屋の床の上ですぐに寝息を立てていましたが、筆者はバーストした瞬間の光景が頭から離れず、下船までまったく寝付けませんでした。
翌朝、函館港に降り立ち、そのまま札幌まで約300km移動。予約していたタイヤショップでタイヤ4本をすべて新品に交換し、不安なく旅ができる態勢を整えました。
その後、札幌から約300kmのドライブを経て、夕方に北見の友人宅に到着。トラブルがなければ、仙台港発のフェリーで午前11時に苫小牧港に着いて、夕方に北見の友人宅を訪問する予定でした。つまり、この時点で当初予定していたのとまったく同じスケジュールに乗せることができたわけです。約1400kmを走破した過酷な2日間でしたが、そのおかげでバーストという重大なトラブルに見舞われながらも、予定通りのスケジュールで旅を続けられるようになりました。
この日は、友人宅に泊まってフカフカの布団で久々に熟睡。翌日から本格的にスタートする北海道キャンプ旅に向けて、疲弊した心と体をゆっくりと休めました。