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高速道路の電光掲示板の活用法。渋滞対策法に、三角マークの意味とは?

高速道路を走行するうえで一番の難敵となるのが「渋滞」ではないでしょうか。一般道や高速道路では、交通量が多いと渋滞が発生します。これは、鉄道や航空など他の交通手段にはないものです。渋滞が発生すると、通常よりも車の流れが悪くなるため、所要時間が大幅に長くなることがあります。通常なら1時間でいけるところを、2〜3時間かかることもあります。

車を運転するうえで渋滞に遭遇するのは、どうしても避けられない部分がありますが、なるべく渋滞を回避して少しでも所要時間のロスを減らす努力は大切になります。近年はスマホやパソコンなどで簡単に渋滞情報が見られる他、サービスエリアでも広域の交通情報をインフォメーションしてくれています。とはいえ、高速道路の運転中はそれらを活用することはできないため、高速道路上に設置されている電光掲示板からの交通情報を頼りにすることになります。

高速道路の渋滞をなるべく回避するためには、この電光掲示板の表示を見て、これからの渋滞予測を自分なりに考えて判断することが求められます。そこで今回は、高速道路上に設置されている電光掲示板の渋滞情報のひも解き方について解説します。

まずは渋滞の種類を確認

電光掲示板からの情報入手方法を紐解く前に、まずは渋滞の種類を確認し把握する必要があります。一言で渋滞といってもその原因はさまざまあり、それにより渋滞の種類が分かれています。

一番多いのが、交通集中による「自然渋滞」です。高速道路の交通量が一定のキャパを超えると、車が混雑し渋滞となります。交通量によって、渋滞の規模が変化します。高速道路上で事故や故障が発生すると、発生場所近郊の車の流れが悪くなるため、それにより渋滞する「事故渋滞」や「故障車渋滞」もあります。事故や故障の内容や規模によって、渋滞の規模も変化します。

その他、高速道路の工事による「工事渋滞」や桜や花火などの絶景や対向車線の事故や故障車を見るために、減速する車が連続することにより発生する「見物渋滞」など、渋滞の種類はさまざまです。渋滞の種類によって、渋滞の規模の変化のスピードやタイミングが違いますので、それにより傾向と対策も柔軟に変えていくことが、渋滞回避には大事な要素といえます。

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電光掲示板からの情報で、渋滞の距離と時間を照らし合わせる

電光掲示板の渋滞情報には、「5km20分」のように渋滞の長さと渋滞区間の所要時間が表示されています。こちらを活用して、渋滞の規模を予測することができます。

渋滞の距離の長さに比例して渋滞時間も長くなるわけではなく、たとえば「3km5分」のように通常の所要時間より多少かかる程度の、渋滞と言えるかいえないか微妙なラインの渋滞というものもあります。

渋滞の距離と時間を照らし合わせることにより、渋滞の規模を予測して、これからのルートを判断することができます。目安として、1kmあたり5分より時間が長いか短いかで判断するといいでしょう。渋滞の長さが2kmなら10分をラインに、3kmなら15分をラインにします。

渋滞の長さに対して渋滞区間の所要時間が長い場合は、一般道や高速道路の他路線への迂回を検討した方が、早く目的地に到着できる可能性が高くなります。電光掲示板の渋滞渋滞では、まず渋滞の距離と長さをチェックしましょう。

事故渋滞は規模が小さくても、一気に大規模になる可能性が大きい

渋滞のなかでも一番警戒すべきは事故渋滞になります。というのも、事故渋滞が発生すると事故の規模にもよりますが、通常よりも大幅な所要時間を要するケースが多いのです。

事故が発生すると、事故があった車線がふさがれ走行使用ができなくなります。さらに、追突による二重事故を防ぐために、事故現場の前後で車線規制が行われるため、通常よりもかなり車の流れは悪くなります。そのため、事故渋滞では最初は小さい規模の渋滞でも、たちまち大規模な渋滞になることがよくあります。最初は「1km5分」だった事故渋滞が、次に得た情報では「3km40分」とか「3km60分」になっているなんてこともあるのです。

私が心がけているのは、事故渋滞は読みづらくいきなり規模が大きくなることから、なるべく迂回して回避するようにしています。事故渋滞発生の際は、よくよく渋滞渋滞をみてしっかりルートを吟味することが大切です。

渋滞の距離と時間の後の「三角マーク」に注目

近年、電光掲示板の渋滞時間では距離と時間の後ろに三角マークの表示がつくことがあります。首都高など都市高速の渋滞情報では、よくみかける三角マークの表示ですが、これにはしっかりとした意味があります。

三角マークは、渋滞の規模がこれから大きくなるか小さくなるかを表した表示になり、赤色三角は「これから渋滞の規模が大きくなる傾向にある」という表示で、逆に緑色三角は「渋滞の規模が小さくなる傾向」を表示しています。

赤色の三角マークが表示されている時は、渋滞の規模が大きくなる可能性が高い

三角マークの表示は、2012年に新東名高速道路(以下 新東名)の初区間が開通した際に、東名高速道路と新東名のどちらを選択するとスムースに走行できるかの参考になればということから、表示されるようになったという経緯があります。

もし、渋滞情報に赤色三角のマークが表示されている場合は、小さい規模の渋滞でもこれから大きくなる可能性が高いため、なるべく迂回して渋滞を回避するのが得策といえます。

現在の渋滞情報と次の渋滞情報で「渋滞規模の変化」を確認

交通情報を表示している電光掲示板は、高速道路のインター入口付近や高速道路上に設置されていますが、近年は設置数も徐々に増えてきました。そのため、私たちドライバーは走行しながらこの先の最新交通情報を入手しやすくなっています。

そこで、渋滞については現在電光掲示板に表示されている情報と、次の電光掲示板に表示されている情報の変化を察知し、ルート選択に活かすという有効策があります。渋滞の規模はたえず変化しますので、今みた渋滞情報から、次の電光掲示板の渋滞情報までの間に、渋滞の規模が大きくなることもあれば小さくなることもあります。

先ほどの三角マークに近い考え方ですが、規模が大きくなる傾向なら、迂回するルートを検討し選択することを考える必要があります。逆に渋滞が縮小傾向でも、渋滞自体が大規模で縮小の度合いが弱い場合は、やはり迂回を検討するべきかと思います。そのためにも、今の表示と次の表示を比較して、その差を見極めることが大事です。

電光掲示板を読み解く前の知識のインプットも日頃からしましょう

電光掲示板の渋滞情報を分析する方法をいくつかお話ししました。電光掲示板の渋滞情報には、渋滞の距離と時間が表示される他、渋滞している路線や渋滞区間も表示されています。

つまり、電光掲示板に表示されている渋滞路線や区間を運転手が知っていないと、どこで渋滞しているのかわからない状態になるため、傾向と対策が打てなくなります。日頃から高速道路の路線やインター名・ジャンクション名などを覚えること、高速道路についての知識をインプットすることは重要なことなのです。

高速道路の知識を十分に活用しながら、電光掲示板に表示されている渋滞情報をみて、よりよいルート選択ができるようにしましょう。それが、ドライブの質を高めると同時に、ドライブ全体を楽しくすることにもつながるのです。

■この著者のプロフィール、他の記事はこちら:https://www.mobilitystory.com/article/author/000017/

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