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世界最大クラスの猛禽類の乱舞に海まで凍る野付半島は"もう異次元レベル"。さらにはローカル系グルメ回転寿司。金曜夜の羽田発で行く【冬の北海道モデルコース#3】

海の凍る「野付半島」は野生動物の楽園

凍結した野付湾の中にあるトドワラ。砂嘴にあったトドマツの林が海面上昇などで浸食され、
枯れ木群になったものです。そして立ち枯れの木の枝にはオジロワシが

普通の場所では考えられない風景が連続して現れるのが楽しい

根室や風蓮湖まで来たら、必ず寄りたいのが「野付半島」です。道の駅「スワン44根室」から国道244号線を約1時間北上すると、日本最大の砂嘴(さし)である野付半島の入口に到着します。ちなみに砂嘴は沿岸流に運ばれた砂が静水域で堆積して形成される嘴型の地形だそうです。

この野付半島ですが、野生動物などが多く生息しバードウォッチングなどでも有名ですし、浸食された砂嘴のあった林が立ち枯れたまま残り、この世の終わりのような荒涼感のある風景が人気の観光スポットになっています。

夏でも人気の観光スポットなのですが、冬は砂嘴に囲まれた野付湾が凍結するため半島内を走る北海道道950号線を走っていると海に突き出た半島を走っているのに、行きは左側の海が、帰りは右側の海が凍結し、逆側の凍らない海には状況によっては流氷と北方領土の国後島が見えるという幻想的な風景が広がります。

野付半島の入口からクルマで約15分の距離にある「野付半島ネイチャーセンター」
野付半島観光の拠点といえます

筆者たちは半島の付け根からクルマで約15分の「野付半島ネイチャーセンター」にクルマをとめて、立ち枯れたトドマツの林が見えるトドワラまで徒歩で向かいます。ネイチャーセンターには、その日の野生動物の出現状況が詳細に紹介され、ネイチャーツアーなども用意されています。

また野付半島に入ると道路沿いには、人間よりもエゾシカのほうが完全に多いレベルでシカたちが出現。大きな個体では200kg近くなるエゾシカとの交通事故はクルマが全損することも珍しくないので、走行には注意が必要です。

野付半島の走る道路の周りはエゾシカだらけです。子ども連れの場合は、
この道路をドライブするだけで喜んでくれるので、筆者のお気に入りの道でもあります

毎年のように野付半島に行くのですが、不思議なのが「海は凍らないはずなのに……」です。気になって調べてみると野付湾は野付半島に囲まれた波の弱い内海だからだといいます。確かに半島の逆側の海はまったく凍っていません。さすがに北海道でも海が凍るのは、野付湾くらいだそうです。

凍った野付湾の上を歩くツアーも開催されています。
氷の薄い場所などがあるので、ネイチャーガイドによるツアーが基本です

ネイチャーセンターからトドワラへの遊歩道は、野付湾に向かって歩くことになるので、雪原との見分けは付きづらいですが、上に掲載した写真のように凍った海を眺めながら進むことになります。 風景を眺めているうちに「なんで、ここにはなんにもないのだろう」となりますが、凍っているだけで海面なので当たり前です。

遊歩道を歩いて行くと木道が出現します。雪原になぜ木道が? と思いますが、
下は海や浸食された砂嘴なので、夏は木道がないと歩けないわけです

ちなみにネイチャーセンターからトドワラまでは徒歩で片道30分程度。往復でも1時間程度なのですが、筆者たちは到着したのが14時前と遅かったのもあるのですが、珍しい風景や動物たちにひかれて、あちこち撮影しながら、歩いたため帰り道には凍った海の向こう側に沈む夕日を撮影することもできました。

凍結している1〜3月以外は海なのでなにもないのは当たり前なのですが、
それにしてもまったく何もない光景に驚きます

野付半島は道民の筆者でも普段の生活では目にしないような光景が次々に現れるので、ぜひ訪れてもらいたい冬の絶景スポットになっています。

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