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"個性が輝く"道の駅を厳選。人気ランキングでは測れない、地域の魅力に触れられるイチ押しの道の駅をピックアップ

最近はインターネットで道の駅関連の記事を検索すると、さまざまなランキングが出てくるようになりました。紹介されている道の駅は、1日滞在できるような充実した施設から、なぜ選ばれたのか理由を考え込んでしまうものまでありますね。

こういったランキングの選者をやったこともありますが、自分が好きな道の駅とメディア映えする道の駅は違うと思い知らされました(絶対採用されることはないと分かって、裏ランキングを作って提出したこともあります)。

もちろん好みは人それぞれですが、私はエンタメ要素が満喫できるところより、特産品を上手に活かしながら、少々地味でも(失礼!)しっかり地域の魅力を伝えている道の駅が好みなので、今回はそんな道の駅を選んでみました。

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【栃木県】道の駅を中心に地域の農業の活性化に貢献。「もてぎ」

敷地内には季節の花も咲く道の駅「もてぎ」

道の駅の主役というとやはり地元の野菜や果物が並ぶ農産物直売所だと思いますが、全ての場所にある訳ではありませんし、規模もまちまち。更に言えば旬の時期を逃すとその土地の名産が何か分からないこともあります。そんな中で異彩を放つのが栃木県茂木町にある道の駅「もてぎ」です。

元々葉タバコの生産が盛んだった茂木町(現在でも町内にたばこ神社があります)。1977年に専売公社が撤退したのをきっかけに離農する人が増えていきました。そんな中、代替として植えられたのがユズです。傾斜地でも栽培できるのと、比較的手間がかからず栽培がしやすかったことから着目され、次第に生産量を増やしていきました。

ただ、そのまま食べるリンゴやミカンなどの果実と違い、どちらかといえば脇役。そのユズを買い上げ、加工することで価値が上げられないか模索したのが道の駅もてぎです。

道の駅もてぎの「もてぎのゆず塩ら~めん」

道の駅もてぎの代名詞にもなった「もてぎのゆず塩ら~めん」(720円)

ユズを使ったグルメといえば、道の駅の代名詞にもなっている「もてぎのゆず塩ら~めん」。道の駅のグルメ王を決める、道-1グランプリで3年連続グランプリに輝き、殿堂入りを果たしています。

手動の圧搾機を使い、苦みを出さないようゆっくり手絞りして、ユズ本来の香りと酸味を残した果汁にすることで、あの芳醇なスープが生まれました。まさに地域一丸となって作り上げた名物グルメだった訳です。ユズ果汁はドレッシングや酢などの調味料にも使われていて、こちらも道の駅の看板商品になっています。こういう商品、つい買っちゃうんですよね。

特産のユズを使ったさまざまな加工品が購入できる

道の駅もてぎの魅力は、ユズに留まりません。成功例は横展開され、地元産の米粉を使ったバウムクーヘンの制作やイチゴやブルーベリーを練りこんだアイスクリームなど、採れた農産物をただ売るだけではなく、道の駅で加工することで一気に知名度を上げる効果を得ました。

近年は道の駅で農業法人を立ち上げて農園の運営を始めていて、収穫した農産物を道の駅に供給するなど連携を図っています。当然雇用も生まれるので、まさに道の駅を中心に地域の農業の活性化が図られているといえます。

2026年度には改築してリニューアルを目指すとのことで、ますます目の離せない道の駅になりそうです。

道の駅「もてぎ」(栃木県)

・施設情報ページ:https://www.mobilitystory.com/michinoeki/detail/tochigi/post_307/
・公式HP:http://www.motegiplaza.com/
・栃木県の道の駅一覧:https://www.mobilitystory.com/michinoeki/tochigi/

【岐阜県】地域の食文化の伝承という役割を果たす「おばあちゃん市・山岡」

巨大な木製水車が目印の道の駅「おばあちゃん市・山岡」

岐阜県の観光スポットである小里川ダムの湖畔に建つ一際大きな木製水車。直径24メートル、一時は日本一の大きさを誇りました(現在は2位)。そのたもとに道の駅「おばあちゃん市・山岡」はあります。店内はそれほど大きくありませんが、地元の野菜や加工品などが所狭しと並んでいます。中でも目を引くのが「山岡細寒天」です。

全国シェアの8割を占める特産の「山岡細寒天」

道の駅のある山岡地区はその大半が丘陵地。主要な産業は全国一の生産量を誇る細寒天の生産です。その生産は冬に行われ、ところてんを天日干しして徐々に水分を抜いて作られます。元々昭和の初めに農閑期の副業として始められたようですが、冬季の乾燥した気候と昼夜の寒暖差が生産に適していたため、工業的に作られたものが主流になってきた近年も伝統的な製造方法で作られています。

寒天は道の駅内にあるレストラン「みはらし茶屋」でも味わえます。麺に細寒天を使った名物グルメの「寒天らーめん」、甘味のところてんなど一度は味わっておきたいところですが、個人的に愛して止まないのが「おふくろの味定食」。天ぷらや煮物、田楽などが付いてきます。

懐かしい味が堪能できる「おふくろの味定食」(950円)

この食堂で調理しているのは、道の駅の名称の元にもなった地域の女性たち。

元々道の駅は地域の高齢者が生きがいづくりにと始めた朝市が前身で、2000年に麓に店舗が開業し、その中で地元の女性グループが中心になって山岡のおふくろの味を加工品にして販売していました。2004年に現在の場所に道の駅がオープンしてからもその理念を引き継ぎ、女性の雇用の場としてだけでなく地域の食文化の伝承という役割を果たしています。

こういった視点で運営されていた道の駅は、かつてはたくさんありましたが、徐々に姿を消し、貴重な存在になってしまいました。何でもない普通のことなのかもしれませんが、懐かしい味や雰囲気などの郷愁もまた道の駅の個性を形作るひとつの要素だと、ここは教えてくれている気がしています。

道の駅「おばあちゃん市・山岡」(岐阜県)

・施設情報ページ:https://www.mobilitystory.com/michinoeki/detail/gifu/post_630/
・公式HP:http://obachanichi.jp/
・岐阜県の道の駅一覧:https://www.mobilitystory.com/michinoeki/gifu/

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