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思わず"キュレーションしたくなる道の駅"。私が道の駅をライフワークとしている理由

「一番オススメしたい道の駅はどこですか?」とよく聞かれるけれど…

2023年4月にオープンした茨城県の道の駅「常総」を取材

「一番良い道の駅はどこですか?」

メディアの方によく質問されるのがこれですが、1200もある中からひとつだけ選ぶなんて不可能で、しかも判断基準は人それぞれ違います。ですので「私が好き」なのはここです、と紹介していたのは、岩手県山田町の「やまだ」です。

決して大きな施設ではないですが、牡蠣などの海の幸やシイタケなどの山の幸、地元色あふれる「豆すっとぎ」などの郷土和菓子など、ワクワクするものが並びます。「他の道の駅とどこが違うの?」という疑問もあると思いますが、私がお気に入りになる道の駅には3つの要素があります。

1. 地域の食材や商品のストーリーを伝えている。
2. できるかぎり6次産業化に取り組み、商品・メニュー開発を行っている。
3. 地域の人も集い、拠点として機能している。

1と2は特に観光で訪問する際には重要ですが、3は活気を生み出す側面もあります。これらが上手くかみ合っている場所に行くと、気づくと長居していたなんてことも。馴染みのない食文化も高揚感を高めてくれる一因になります。

旧道の駅やまだの外観

残念ながら道の駅「やまだ」は、2023年7月に別の場所に移転リニューアルしてしまったのですが、施設は「産直ひろばふれあいパーク山田」として存続。移転後も旧施設が残るのは珍しく、地域住民にとって必要な拠点だったことが分かります。

山田町に行ったらぜひ新旧の道の駅を訪問してみてください。

道の駅キュレーター流、オススメの道の駅巡礼旅

道の駅キュレーターだから、さぞかし綿密な計画を作って旅に出ているのでは、と思われるのですが、案外ざっくりしています。というのも旅先で頻繁に予定が変わるので、あまり事前に調べなくなりました。そして、調べた情報すら現地でもっと良いものに出会って塗り替えてしまいます。

前述した通り、道の駅の一番の魅力は「未知の地域性」。知らなかったことに出会えるワクワク感が訪問の動機になります。これだけ情報があふれた時代になっても、知らないことは数多あります。表層的に見えて、いくつもの要素が絡むと、気づかなかった事実にたどり着いたりします。

道の駅「奥会津かねやま」

例えば福島県金山町の「奥会津かねやま」。こちらの名物は手打ちの「アザキ大根高遠そば」。アザキ大根はこの地方の伝統野菜で、辛みが強いのが特徴です。

高遠そばは、会津藩主・保科正之が信濃高遠藩主時代に食べていた、大根おろし、味噌、ネギなどで味わう蕎麦を持ち込んだのが始まりとされます。蕎麦好きが高じて、職人も会津に連れていったのだとか。そういえば信州も薬味の大根は辛いですね。その土地独自の食文化と思いきや、実はいろんな地域の食文化と繋がっているのも興味深いです。

「おいしかった」、だけで終わらず背景も知ると、不思議なもので旅に奥行きが出て立体的になります。さらにその土地に愛着が湧きますね。とかく急ぎ足になりがちな道の駅めぐりですが、そんな視点を加えてみるのもオススメです。

道の駅は、単なる休憩スポットではありません。

茨城県の道の駅「たまつくり」の取材時

道の駅は、その土地の文化や歴史、魅力が積み重なった場所で、存在自体が地域のゲートウェイになる重要な拠点です。さらに1度行ったから終わりではなく、訪問する季節や理由を変えただけで、さまざまな顔を見せてくれます。

行く度に新たな発見のできるスポットなんてなかなかないですよ。そして訪問すればするほど、ファンになります。推し活ってこんな感じなんですかね?

これから何度も訪れたくなる道の駅の魅力、お伝えしていきたいと思います。

■著者プロフィールはこちら:https://www.mobilitystory.com/article/author/000031/

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